――どうして?
少女は泣きながら、呟いた。
いつも水槽の熱帯魚のように綺麗で優雅だった母親。
――お母さん、どうして?
少女の腕からポタリと伝い落ちる血。
母親の投げ出された手に留まる血に濡れたナイフ。
――どうして。
少女は嗚咽交じりに呟いた。
私ヲ殺ソウトシタノ?
愛している、なんて信じない。
あれを『愛』だというのなら、私は『愛』という言葉を嗤うだろう。
――そんな言葉で許されるとでも思っているの!?
どんなに優しい言葉も。
どんなに柔らかな微笑みも。
――私は認めない。絶対に許さない。
憎んで憎んで、死ぬまで憎み続ける。
――いつか殺してやる。
この身に残る痕跡すべてを消して、生きていく。
――絶対に、お前のものになどなるものか。
――愛しているよ。
彼は優しく囁いた。
彼の腕の中ですすり泣いている少女の体は今もにも折れそうなほど華奢で美しい。
――だから、お前は私のものになるんだ。
弱々しい抵抗。
それを他愛もない我侭と受け止め、彼は笑う。
――お前の肌に、その身の内に、私の証を与えてあげるよ。
何度、貪っても足りない。
何度、抱き締めて吐息を奪っても満たされない。
そんな過去が少女の温もりによって溶けて消える、不思議な感覚。
彼は微笑みながら告げた。
――愛しているよ。
オ前ハ私ノモノダ。
愛している、なんて言葉では足りない。
それでも、この世界では『愛』という言葉でしか示せない。
――お前のすべてを愛しているから、私から逃げられないんだよ。
その金に輝く死の眼差しも。
頑なに拒む心の鎧も。
――私がお前を忘れることなどありえない。
お前が私を忘れないように。
――お前が自ら私のものになる日を楽しみに待っている。
いつかお前は私を愛するしかなくなるのだから。
――お前は私のものになる。
私はただお前が気づく時を待つ。
――愛しているよ、私の大切なひと。
Love
or
Deth
?
コレだけじゃ、何がなんだか分からないですよねぇ。
いいんです、分からなくて。
だって、名前すら決まっていないんですもの〜♪
ホホッ、ただ二人の関係と性格が表現されていれば満足なのです。
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